SDGs時代の潮流|CO2削減と保冷ボックスで目指す脱炭素社会
ESGやSDGs(持続可能な開発目標)と聞くと環境問題の解決や社会課題の解決で世の中に貢献するといった印象を持つ人が少なくないはずです。一昔前までは企業が社会的責任として採算を度外視したところで取り組まなければならない風潮がありましたが、今ではサステナビリティ(持続可能性)への取り組みと言い換えることが出来るのではないでしょうか。企業におけるサステナビリティとは、事業を継続して成長し、新しい価値を創造しながら事業を拡大することを意味します。サステナビリティを向上させるためには、環境へ配慮し、社会に貢献することが必要不可欠とされ、企業は外圧を感じながらもそれに取り組まざるを得ない状況下に置かれつつあります。環境や社会に配慮・貢献することはステークホルダーの期待に応えながら企業価値を高める効果があり、「ビジネスリスクを回避して、ビジネスチャンスを得ること」に繋がります。これからの時代、ESGやSDGsへの取り組みは単なる社会貢献ではありません。投資家が投資先を決めるように、消費者が製品やサービスを選ぶ際の重要な判断基準になっていくといえるでしょう。
※ESG:Environment(環境)/Social(社会)/Governance(企業統治)
―目次―
1.物流業界でCO2削減に貢献するとは何を意味するのか?
2.「CO2削減の大義」と「配送の効率化」
2-1.ドライバーの作業負担を軽減
2-2.配送ルートの集約と輸配送の共同化
2-3.積載効率の最適化
3.まとめ
1.物流業界でCO2削減に貢献するとは何を意味するのか?
運輸部門におけるCO2(二酸化炭素)の排出量について調べてみました。2019年度における日本のCO2排出量(11億800万トン)のうち、運輸部門からの排出量(2億600万トン)は18.6%を占めています。自動車全体では運輸部門の86.1%(日本全体の16.0%)、うち、貨物自動車が運輸部門の36.8%(日本全体の6.8%)を排出しています。多い少ないで排出抑制を進めるべきではありませんが、物流業界が属する運輸部門の排出するCO2は決して少なくありません。では、排出量を減らすためには具体的に何を講じれば良いでのしょうか?大きく分類して下記2点を挙げることが出来ます。
①1台あたりの排出量を減らす(燃費の向上)
②交通量を減らす(需要をコントロールする)
ハイブリッド低燃費車・低公害車の普及が拡がりエコドライブを促進することで燃費性は高まりますから、1台が排出するCO2は従来から比べると確実に減少傾向に向かっているといえます。次に対策していくべきは、手配車輌数の最適化です。1台の車輛でより効率良く、多くの貨物を配送することが出来れば、当然に車輛数を少なくすることが出来ます。物流業界では昨今ドライバー不足が叫ばれていますが、コンプライアンス遵守により昔ほど稼げなくなったイメージにくわえ、1人で行う作業負担も大きく、人手が集まりづらい状況です。こういった背景を鑑みれば「配送の効率化」は推進して然るべきであって、CO2削減という大義のもと、取り組んでいくべき内容なのです。
2.「CO2削減の大義」と「配送の効率化」
1台の車輛で出来るだけ多くの貨物を配送することが出来れば、車輛数とドライバー数を抑制することが出来ます。では、手配車輛数を減らし、1台あたりの稼働効率を向上させるには具体的に何を講じれば良いのでしょうか。2016年に法改正された物流総合効率化法は、深刻なドライバー不足や荷物量の増加を受けて、支援の対象条件を「2つ以上の者(業者)が連携して事業を行うこと」に改正する等して、フレキシブルな連携をより重視する内容となっています。配送の効率化は、消費者需要への対応であり、コスト節減であり、環境負荷の低減に繋がります。CO2削減という大きなお題目を掲げられると実際に何に取り組めば良いやら難しく考えてしまうかもしれませんが、効率アップのために日常の業務の何を改善すべきか、目の前の業務改善を考えれることが最善策といえます。効率化のために挙げられることは、下記3点です。
2-1.ドライバーの作業負担を軽減
外食チェーン・スーパー・コンビニをはじめとする食品配送の場合、温度管理を求められることも少なくなりません。深夜~早朝にかけて交通量の少ない時間帯に配送することは今や珍しくありませんが、配送先の店舗が営業時間外であれば受け入れしてくれるスタッフはいませんし空調も効いていませんから、店舗の冷蔵設備へ格納するところまでドライバーが作業しなければなりません。これを置き配(ドロップ納品)に切り替えることが出来れば、ドライバーにかかる負担は軽減されるので1店舗あたりに費やす時間を短くすることが出来ます。即ち、1車輌で配送する店舗数を増やすことが出来るというわけです。ドライバーの作業負担を軽減するということは、1車輌で回れる店舗数の改善(増加)に直結します。1車輌で回れる店舗数が増えれば、全体で手配する車輛数は減少し、交通量の抑制に貢献することが出来ます。空車状態の車輛は極力無くし、最適台数で稼働率を上げて、徹底的に無駄を排除しましょう。
2-2.配送ルートの集約と輸配送の共同化
食品配送の場合、管理温度を逸脱すれば、融けることもあれば傷むこともあります。販売や提供が出来なくなってしまえば食品配送は成立しません。いかに温度管理しながら配送するかが食品配送のポイントとなります。出荷場所から配送先までの距離・時間が短ければ短いほど温度管理は楽になりますが、前述の通り、1車輛で出来るだけ多くの店舗へ配送することを目標にするわけですから、長時間配送をするケースも必然的に生まれてきます。そうなると、より一層のこと、配送ルートを集約しなければなりません。途中、物流拠点を経ることなく、1車輌1ターンで効率良く配送先を回り配送を終えることが必須条件となります。ですが、配送ルートの集約を課題に感じたとしても、マンパワーで実現させることは難しく、難儀されているとのエピソードもよく耳にします。そういった際には、動態管理システムの導入を検討することも1つの選択肢です。「車両位置情報のオンタイム把握」「走行ルートの確認」により、ルートの最適化と集約を可能にします。
また、共同配送とは、複数の荷主の貨物を1車輌にまとめて配送する方法を指します。貨物量が少なく、配送ロットを満たしていない場合は、無理に輸配送しようとせず、共同化することが有効的です。物流拠点から店舗への配送において、商品カテゴリーごとに一括納品することが出来れば、工数やコストに課題を持つ企業においては非常に有効な施策となります。
配送ルートを集約したり、輸配送を共同化することは、全体で手配する車輛数の減少に繋がり、計らずも交通量の抑制に貢献することが出来ます。
2-3.積載効率の最適化
積載効率とは、車輌の積み荷の積載許容量に対して、どの程度まで貨物を積載しているのか、その割合のことを指します。算出するためには、貨物の重量・内容積・面積等を基準とします。積載効率が向上すれば、1車輌により多くの貨物を載せることが出来るわけですから、1車輌で配送する店舗数を増やし、全体で手配する車輛数を減らすことが出来ます。即ち、交通量の抑制に貢献します。
食品配送の場合、常温車のほかに、冷蔵車や冷凍車を使用しますが、配送する店舗が多ければ多いほど、荷室ドアの開閉も増え、外気の流入が頻繁に起こります。いくら冷凍機付きの車輛で輸配送しても、外気の流入が頻繁に起これば荷室の温度は安定しません。整然と積まれた保冷ボックスや遮熱効果のある保冷カバーで食品を守ることで、いかなる積載方法でも管理温度から逸脱することなく店舗まで配送します。
3.まとめ
最終目標とするところはCO2削減によるSDGsの達成ですが、そこに向けた実際の取り組みというのは、企業ごとに多様に存在します。食品物流の業界においていえば、「ドライバーの作業負担軽減」「配送ルートの集約」「輸配送の共同化」「積載効率の最適化」と先述の通り、物流の最前線にある課題解決とイコール化しています。とどのつまり、物流の最前線にある課題というのは、生まれるべくして生まれた問題であり、先送りにすることは出来ないものばかりなのです。環境や社会に配慮しなければならない、企業価値を高めなければならない、まずはCO2削減に取り組んでいこう!と威勢よく舵を切る必要はありません。まずは目の前の課題を解決することから始めていってはどうでしょうか。
キラックスでは、食品配送の効率化に向けて、高性能保冷ボックス/保冷カバー(シッパー)/保冷剤をご提案させていただきます。置き配(ドロップ納品)によるドライバーの作業負担軽減には折畳式の保冷ボックスを。長時間配送には高性能保冷ボックスと保冷剤を。共同配送には大容量の保冷カバーと耐久性を。積載効率アップにはオリコンと嵌合する特注保冷ボックスを。用途や課題に応じて、最適資材をご提案させていただくことが可能です。是非ともお気軽にご相談ください。
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