最適な温度管理に必須となる保冷剤の3つの特徴

温度管理のヒント
2021.07.19

2021年の夏が始まります。気象庁の1ヶ月予報では2021年8月中旬頃までの平均気温は全国的に「平年並みか高い」予想となっております。全国の年平均気温は10年間で0.1~0.5℃ほど高くなっており、年々上昇している状況です。そのような背景から今まで保冷ボックスを使用する割合が少なかった工業界を初め、様々な業界からも温度管理に関してのお問合せが増えてきています。お客様の大切な商品を運ぶための保冷ボックスにはお求めの温度や時間に応じて冷媒を合わせて選定する必要があります。冷媒には主にドライアイスと保冷剤の2種類があり、保冷剤に関してばナイロンフィルム製の安価なワンウェイタイプやブロー容器のリターナブルタイプがあります。また、冷蔵品輸送に適した温度帯(0℃~+3℃)や冷凍品輸送に適した温度帯(-5℃~-25℃)などお客様の運ぶ商品に合わせて最適な保冷剤をご案内しています。今回は保冷剤の特性や特徴をご紹介していきます。


■目次■
1.保冷剤の種類/ナイロンフィルムタイプ
2.保冷剤の種類/ブロー容器タイプ
3.使用環境に応じたご提案
4.まとめ


1.保冷剤の種類/ナイロンフィルムタイプ

原料の大半は水分であり、氷よりも保冷時間を長くする為に少量の水溶性ポリマーに水を含ませてジェル状にしたものを包装した保冷剤となり様々なサイズ展開が有ります。洋菓子屋さんやテイクアウトの際に使われており、日常生活で一番目にする事が多いタイプになります。多くはワンウェイ目的で使用されており、お値段も安価なのが特徴です。また、商品への結露付着を心配されるお客様に対しては、結露の水分を吸収し、商品の水漏れを防ぐ不織布タイプも御座います。

2.保冷剤の種類/ブロー容器タイプ

内容物(原料)にナイロンフィルムタイプとの大きな違いは有りませんが、ブロー容器(熱可塑性 中空成形品)で包装されている為、耐久性に優れ衝撃にも強く、繰り返し使用出来る事が特徴です。また、フィルムタイプのように凍結後の変形も小さく、温度帯グレードに関しても0℃グレードが多いフィルムタイプとは異なり冷蔵~冷凍帯まで幅広い温度グレードが御座います。これらの特徴から流通業界や物流業界などリターナブルに使用する業界を中心に採用されており、弊社の保冷ボックスと合わせて使用される事が多いです。

3.使用環境に応じたご提案

保冷剤(蓄冷材)には様々な温度帯グレード(+3℃~−25℃)を取り揃えている為、輸送する商品の管理温度・輸送時間に応じて最適な保冷剤をご案内しております。また、保冷剤には解凍時間を遅らせる為に表面を平らにして表面積を狭くしたプラス型と、凍結時間を短縮する為、表面を波系状にして表面積を広くしたダブル型が有り、管理時間やお客様の凍結環境(冷凍冷蔵庫)に応じて使いわける事が出来ます。
更に、食の安全が叫ばれている中、食品を取り扱うお客様には、容器に抗菌性を付与した樹脂を使用した抗菌タイプもご用意しています。容器面に付着する浮遊菌や雑菌の増殖を抑える効果に加えて、無機系抗菌剤を使用する事で、その抗菌効果を長時間持続させています。
これら保冷剤の使用実例として、某百貨店のケーキ宅配に於いて抗菌タイプが採用されています。抗菌性が有る事でエンドユーザー様も安心してお受け取り頂いています。他、冷凍したパンを輸送したいというお客様に対しても管理時間を伺い、短時間での輸送及び凍結時間を短くしたいとのご要望から−25 ℃のダブル型が採用されている以外に、某飲食店ではドライアイスから保冷剤への切り替えによるランニングコストの削減を理由に−25℃のダブル型が採用されています。

4.まとめ

低温管理輸送に保冷剤は欠かせない物になります。多彩なニーズにお応えするため、対象となる商品・保冷時間・使用環境など、お客様の希望する条件に適合できる多くの品種を取り揃えています。最適な温度維持をする為にもより具体的でより詳細な情報が必要となりますが、商品を安全・安心に運びたいという声にお応えするため、保冷剤に限らず保冷ボックスを含めたトータル的な提案を致しますのでご要望の際は是非お気軽にご相談下さい。

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