【物流百科事典】リスク管理
業界あれこれ
2020.06.21
消費領域に近づく低温ロジステイクスは、一面ではリスクとの戦いでもある。
リスクとは出荷波動であり、商品アイテム改廃や在庫を高回転化させることに伴う
業務運用上の種々の対応である。
これに失敗すると顧客に迷惑をかけるだけでなく、大きなコストロスにもつながる。
ロジステイクス運営におけるリスク
低温系商品は季節性が高く、また在庫を極小化あるいはゼロ化することによるリスクが常に発生する。
表-16にその主な要素を示す。
これらに適確に対応できなければミス・トラブルが続発し、コストロスも膨大になる。
業務運用の組み立てや、情報システム設計に多くの工夫が必要になる。
消費に連動するということは変化への対応であり、この基本姿勢を常に持つことが重要である。
リスク管理とは
リスク管理とはこれを事前に予測して、ある程度の予防策を講じておくことである。
明らかに予測できる出荷ピークや計画情報から、事前の段取りを行うことが不可欠であり、可能な限り混乱を回避させるための管理である。
アウトソーサーの選定の際には、このような実務遂行能力が重要な評価ポイントになる。
日配業務では交通事故が発生する確率も高く、これに対し適切な対策を持っている事業者を選ぶことや、保険等によるヘッジ策も重要なリスク対策である。
危機管理とは
充分なリスク管理が行われても、天変地異のような大災害も発生する。起きてしまった事故をなるべく迅速に処置し、リカバリーするのが危機管理である。
これについては想定が難しいが、ある程度のシナリオを用意しこれも事前の準備と訓練が必要である。
つまり指揮命令系統の機能、他部門との連携、必要な経営資源の確保などである。
この対応力の高さも競争力の一つの要素であり、リスク管理能力と並んで重要な評価要素となる。