保冷ボックスはスゴイが詰まった魔法の箱 第1回「面ファスナー」

保冷保温ボックスの秘密
2021.07.14

冷たいものを目的地まで運ぶために利用される保冷ボックス。決められた温度管理をしながら輸送し、到着後もある程度の時間その場所で保管できるような設計になっています。その性能を支えるため、保冷ボックスには随所にスゴイところが隠されているのです。
この記事では、保冷ボックスを使用するみなさんが普段知ることのない、保冷ボックス製造の裏側を大公開!性能+使いやすさを追及して完成する“魔法の箱“に取り入れられたスゴイ部分をご紹介します。
第一回目は「面ファスナー」。保冷ボックスの製造に欠かせないアイテムの一つです。今回は面ファスナーのスゴイところを余すことなくお伝えします!

―目次-
1.面ファスナーとは
 1-1.面ファスナー=マジックテープ!?
 1-2.面ファスナーの起源
 1-3.面ファスナーの原理
2.面ファスナーのスゴイ「接着強度」
 2-1.引張せん断強さがスゴイ
 2-2.はく離強さがスゴイ
3.面ファスナーのスゴイ「耐久性」
4.面ファスナーのスゴイ「採用箇所」
 4-1蓋・扉に採用
 4-2保冷剤ポケットに採用
 4-3折り畳みの固定に採用
 4-4カゴ台車固定ベルトに採用
5.まとめ

1.面ファスナーとは

1-1.面ファスナー=マジックテープ!?

「面ファスナー」という言葉、聞いたことがない方もいらっしゃるかもしれません。
…それでは、「マジックテープ」はどうでしょうか?

実は、面ファスナーとはみなさんがよく知るマジックテープのことを指しています。マジックテープは株式会社クラレの登録商標であり、本来は固有の商品を指すもの。しかし、日本では面ファスナーという言葉があまり浸透しておらず、マジックテープという商品名が一般的に知られています。
実際には、マジックテープ以外にも面ファスナー商品はいくつかのメーカーが製造しており、各メーカーの面ファスナーが洋服や雑貨など私たちの身近なアイテムに採用されています。

1-2.面ファスナーの起源

面ファスナーの起源は1941年。スイスの登山家がアルプス登山した際に、自分の衣類や愛犬の毛に取り付いた野生のごぼうの実にヒントを得て研究が開始されました。その後研究を重ね、1951年に特許出願、1955年に認定。
約70年前に誕生した面ファスナーは、洋服のポケットやスニーカー、リュックサックなど、今や私たちの生活に欠かせないさまざまなアイテムに使われています。

1-3.面ファスナーの原理

面ファスナーは、異なる性質のシートが対になっており、それぞれの面を合わせることにより接着。
一方は「フック」と呼ばれる硬い面(A面・オスとも呼ばれる)、もう一方は「ループ」と呼ばれる柔らかい面(B面・メスとも呼ばれる)。フックとループが引っかかることで接合します。
面ファスナーは、一度接着して終わりではなく、何度も貼ったり剝がしたり繰り返し使用することができるのがスゴイところ

2.面ファスナーのスゴイ「接着強度」

面ファスナーには日本の国家基準である日本産業規格が定められています。ここではJIS規格L3416、1種2号「フックテープとループテープが対になったもの」に基づいて、面ファスナーのスゴイ接着強度をお伝えします。(数値は実測値であり、保証地ではありません)

2-1.引張せん断強さがスゴイ

引張せん断強さとは、面ファスナーを5cmほど接着し、滑り方向に引っ張ったときの強さ。つまり、この数値が高いほど、振動でずれそうになった時に剝がれにくいことを表します。
弊社の保冷ボックスに採用されている面ファスナーは、引張せん断強さの初期値が13.28 N/c㎡。JIS規格の6.3N/c㎡に対して、なんと2倍以上も強度が強いのです!

2-2.はく離強さがスゴイ

はく離強さとは、面ファスナーを5cmほど接着し、剝がし方向に引っ張ったときの強さ。つまり、この数値が高いほど、シールを剝がすように引っ張った時に簡単に外れないことを表します。弊社採用の面ファスナーは、初期値1.15 N/c㎡。JIS規格0.63N/cmに対し、こちらも2倍以上の強度を持っています。

このように引張せん断強さとはく離強さを兼ね備えているため、面ファスナーが簡単に剝がれてしまわない仕様になっているのです。

3.面ファスナーのスゴイ「耐久性」

弊社が使用している面ファスナーは、耐久性もスゴイんです。引張せん断強さとはく離強さのテストをなんと1万回以上実施。1日に5回つけたり剥がしたりを繰り返しても、5年以上同じ強さを保つとことを実証しています。ものスゴイ耐久性ですね!
弊社が開発する保冷ボックスは、お客様が安心して長期間お使いいただけるよう研究されているのです。
また、長年使用できる=廃棄削減にも繋がり、SDGsの「目標12.つくる責任つかう責任」にも貢献することができます。

4.面ファスナーのスゴイ「採用箇所」

保冷ボックスのいたるところに採用されている面ファスナー。高品質な面ファスナーを採用することで、保冷ボックスの機能を高めています。

4-1蓋・扉に採用

保冷ボックスの蓋、保冷カバーの扉は密封するのに重要なアイテム。蓋や扉をしっかり閉めておかないと冷気が漏れ、温度上昇の原因となってしまいます。
弊社の保冷ボックスは密封性を高めるため、蓋や扉に強度の高い面ファスナーを採用。保冷効果維持のために密封することができ、さらに簡単に開け閉めできる利点もあるのが面ファスナーのスゴイところ。

4-2保冷剤ポケットに採用

保冷ボックスと組み合わせて使用される事が多い保冷剤。保冷剤を入れる専用のポケットにも面ファスナーが使用されています。保冷剤の落下防止を目的としていますが、用途によって面ファスナーの取付の方法を変えることができます。例えば、
・作業性を重視=点止めタイプ

・密閉性を重視=辺止めタイプ

用途やご要望に合わせた面ファスナーの取付方法をご提案致します。

4-3折り畳みの固定に採用


物流現場やバックヤードといった限られたスペースの中で使用されることも多い保冷ボックス。現場で必須となるのが折り畳み機能です。未使用時はコンパクトに折り畳むことで省スペース化を可能にし、物流効率の向上にも繋がります。折り畳み時にも面ファスナーの機能を活用しており、畳んだ保冷ボックスをしっかりと固定するのに役立ちます。
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4-4.カゴ台車固定ベルトに採用

物流現場に欠かせないカゴ台車。要冷蔵品を入れたカゴ台車の温度管理に、保冷カバーが使用されています。
カゴ台車に保冷カバーを固定させる際にも面ファスナーが活躍しています。固定ベルトに面ファスナーを採用することで、保冷カバーをセットする時だけでなく、取り外す時も少ない労力で作業を行う事が可能に。

5.まとめ

今回は保冷ボックスのスゴイところをお伝えすべく、面ファスナーに着目しました。着脱の利便性があり、私たちの身近なアイテムに幅広く使われている面ファスナー。
弊社の製造する保冷ボックスにもいたるところに採用されています。弊社が使用する面ファスナーは独自ルートで手配した強度・耐久性に優れた高性能タイプ。在庫管理も徹底しており、お客様からのご注文に備えています。
ぜひとも弊社の保冷ボックス、保冷カバーをご採用いただき、面ファスナーのスゴイところを体感していただければ幸いです。

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