生鮮3品の売り場拡大が堅調|ドラッグストアのスーパー化に刮目せよ

業界あれこれ
2021.11.19

ドラッグストアは医薬品と化粧品を主軸商品として展開していますが、調剤併設化が推進されて以降、調剤による医療用医薬品の売り上げは急増し、リピート率も高く新商品発売も活発な化粧品の売り上げは、ある程度、固定収益として見込めるほどのものでした。ところが、この収益の柱であった2大カテゴリーの売り上げは、いま減少傾向にあると言います。医療用医薬品も化粧品も高粗利商品だったが故、2大カテゴリーの売り上げ減少はドラッグストアにとってかなりの痛手となっています。各々の要因は次のように推察されます。
「医療用医薬品」は、処方日数が長期化したことで調剤機会が減り、売り上げも減少。「化粧品」は、新型コロナウイルスの感染拡大によりマスク着用が常態化し、化粧品の購買行動そのものが減少。いずれも、今後のV字回復を見込める状態にはありません。
ただ、ものごとの要諦というのは、そういった状況に置かれたとき、いまある強みや特性をどう活かすかにあります。ドラッグストアにあって他の業態にないものは、前述の通り、医薬品と化粧品。売り上げは減少しても、そのニーズが立ち消えるわけではありませんから、一定の集客は期待できます。そこで、ドラッグストアは、購買頻度の高い生鮮食品の販売に着目しました。医薬品や化粧品を求めてドラッグストアへ来店した消費者が、ついでに洗剤やティッシュペーパーといった生活必需品を購入することは珍しくなく、むしろ誰しもが経験した購買行動のはずです。その流れで生鮮食品まで購入出来てしまえば、ドラッグストアから食品スーパーをハシゴする必要もなくなるというわけです。クスリと一緒に食品を購入することに一時は抵抗を示した消費者もいたことでしょう。ですが、いまでは、そうした一部の消費者のアレルギー反応も薄れ、ドラッグストアで生鮮食品を購入するスタイルは生活になじみはじめました。実際、先行して食品販売を行ってきたドラッグストアチェーンが業績を伸ばしたことで、そのビジネスモデルを模倣した競合チェーンもあったのではないでしょうか。調べてみると、店内面積の半分近くで食品を取り扱う業態を「フード&ドラッグ」を呼称するそうです。今回は、そうした「フード&ドラッグ」で販売される品目や、それに適した物流資材について説明させていただきます。

―目次―
1.ドラッグストアで購入できる食品カテゴリーと業績好調の理由
2.ドラッグストアの店舗配送に使用される物流資材
2-1.オリコン用シッパー(内袋)
2-2.カゴ車用シッパー
2-3.4輪カート用シッパー/6輪カート用シッパー
3.まとめ

1.ドラッグストアで購入できる食品カテゴリーと業績好調の理由

夕食のための食品購入先として依然高い利用率を誇るのはスーパーマーケットですが、後続はコンビニ、ドラッグストアの順となります。ところが、細かく食品カテゴリー別にみると、ドラッグストアがスーパーマーケットの利用率を脅かすカテゴリーがありました。1点目は、「飲料・お酒」。スーパーマーケットに迫る勢いの利用率でした。2点目は、「日配品(牛乳・豆腐・納豆など)」。こちらも、3位に続くコンビニを大きく抑えた利用率でした。生鮮3品(野菜、精肉、鮮魚)におけるスーパーマーケットの利用率の高さは他の業態に比べると際立っていますが、カテゴリー特徴により、価格による業態の使い分け、他商品との同時買い、時短ニーズへの対応等で消費者の購買行動も変化していることが窺い知れました。

次に、ドラッグストアで購入される食品カテゴリーについて、利用率が高いものから列挙してみます。①「飲料・お酒」、②「日配品(牛乳・豆腐・納豆など)」、③「加工食品(肉魚加工品・調味料など」、④「野菜」、⑤「お弁当・お惣菜」、⑥「精肉」、⑦「鮮魚」、このカテゴリー順位だけをみると、さすがに精肉や鮮魚の購入は消費者から敬遠されている印象を受けます。ですが、食肉の加工・販売を行う企業や、その物流を担う企業から、私どもに資材の相談を寄せられているのが現状です。乳製品やデザートのような日配品はもちろんのこと、ハム・ソーセージ等の加工食品、スライス肉等の精肉類、これらを配送するために保冷カバーや断熱ボックスを提供させていただいています。先日、大手ドラッグストアチェーン2社の店舗配送を担う物流会社の冷蔵センターを訪問しました。そちらのセンターでは、1日にセンターを通過する商品の総額が8億円(末端購入価格)だと教えていただき、ただただ驚いたことを記憶しています。苦境が続く小売業界にあってドラッグストアの業績は堅調ぶりは、まだまだ継続するとの見立てです。

ドラッグストアが急成長できた理由のひとつに「ドミナント(高密度)出店」が挙げられます。この戦略は、1店舗で何十億も売るような販売店を目指すのではなく、近隣に出店し、敢えて自社競合することで1店舗の売上を意図的に下げることが狙いです。商圏内に大量の店舗を構えることで、小商圏内における市場占拠率を高め、1店舗の売上高よりも地域シェア率を重要視したのです。こうして小商圏内で成り立つ利便性の良い店舗を目指しながらも、並行して取扱商品を拡大させたことで成長曲線に更なる勢いをつけたと言えるでしょう。医薬品や化粧品や日用雑貨は誰もが知るところのドラッグストアの取扱商品ですが、積極的に食品販売を強化し、売り場も拡大させ、消費者の来店目的と来店頻度を増やしました。地域の便利店を目指したことも勝因と言えるでしょう。

2.ドラッグストアの店舗配送に使用される物流資材

2-1.オリコン用シッパー(内袋)


スタッキングすることで配送効率が上がるオリコンは、言わずと知れた万能品。ケースに入っていないバラの商品を入れるも良し、化粧品や菓子類の外装箱を護るも良し。内側に保冷シッパーを装着すれば、一気に要冷蔵品の配送にも使えてしまいます。最近では、チョコレート菓子の配送にも活躍しています。
(オリコン自体についての詳しい説明はこちらの記事をご覧ください)

2-2.カゴ車用シッパー


日用雑貨や飲料は、商品重量があるため、カゴ台車で配送しているはずです。トラックの積載効率も計算できるカゴ車は、何かと都合の良いマテハン機材。外側からカバーを被せれば、雨除け・防塵・目隠しに効果を発揮しますし、内側にカバーを装着すれば、これまた重量ある商品の保冷に活路を見出します。店舗配送後、いきなり店頭に陳列することもできず、バックヤードや店舗入口付近で一時仮置きされることも珍しくありません。保冷を要さない雨除け用途には、透明ビニルで設計対応。カゴ車用シッパーは臨機応変な活躍ぶりです。

2-3.4輪カート用シッパー/6輪カート用シッパー


足回りが良く、操作性抜群の4輪カートと6輪カート。店内移動も敷地内の屋外移動もスムーズにハンドリングできる小回りの利くマテハン機材です。女性でも扱いやすいためドラッグストアでの採用が増えています。キラックスでは、あらゆるメーカーのあらゆるサイズに特注対応したシッパーをご案内しています。

食品販売を強化するドラッグストアは、害虫や異物の混入にも気を遣います。食品の温度管理はもちろんのこと、異物の付着にもひと役買ってくれるのが、4輪カート用シッパーと6輪カート用シッパーです。

3.まとめ

ドラッグストアチェーン各社が積極的に食品販売を推し進める際、物流網・配送フロー・店舗売り場が間に合わないことも少なくないと聞きます。急ごしらえしたスキームで走り出したいほど、食品の取り扱いを急ぎ、そして継続したいのだと思います。これまでは、食品スーパーと総合スーパーマーケット(GMS)とディスカウントストアとコンビニで凌ぎを削っていた食品販売市場に、ドラッグストアという新星が突如現れ、いつの間にやらそれが浸透し、当たり前となりました。日本の人口が減少する限り、消費市場が拡がることはありません。とどのつまり、どこかの業態がドラッグストアに食われて、いまがあります。ドラッグストアの業界内でも生鮮食品販売をめぐる競争が激化するいま、新たに、二の矢、三の矢を投じる企業は現れるのでしょうか。
私たちキラックスは、市場や業界の動向に対し、いつもアンテナを張っています。市場や業界が動けば、流行が起きます。私たちは、同じ業界に対して、いつも同じ資材を提案するほど野暮な営業は行いません。そのタイミングで一番適性ある資材を適宜ご提案してまいります。ドラッグストアの食品販売に限らず、温度管理を必要とする企業様、いつでもお気軽にご相談ください。御社に「ちょうどいい」資材を見つけてみせます。


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本社(名古屋) TEL:052-381-0241
東京営業所 TEL:03-5439-6334



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