保冷保温ボックスは、スゴイがたくさん詰まった魔法の箱! 第5回『断熱材その2』

保冷保温ボックスの秘密
2022.02.24

皆さんは断熱材というものはどんなものなのかご存じでしょうか?
断熱材とはその字のごとく、熱を遮断する材料のことですが、こちら側の温度がある物体を通過すると温度の移動や伝達を減少させるものです。熱絶縁材とも呼び、建築用のものは断熱材、工業用のものは保温材と呼ばれることが多いです。特別に業務用保温保冷ボックス用に開発された断熱材というものはありません。弊社の業務用保冷保温ボックスでハードタイプである、ネオシールドに使用されている断熱材は、主に建材として使われているものです。それでは今回、弊社の業務用保冷保温ボックスに使用している、断熱材をご紹介させていただきます。

【目次】
1.断熱材の種類
2.断熱材の用途
3.保冷保温ボックスに使用している断熱材の特徴
 3-1.素材
 3-2.優れた熱伝導率
 3-3.吸水性・吸湿性がほとんどありません
 3-4.ノンフロンです
 3-5.リサイクルできます
4.キラックスが使用している断熱材
 4-1.押し出し法ポリスチレンフォーム断熱材3種bAタイプ
 4-2.押し出し法ポリスチレンフォーム断熱材3種aⅮタイプ
 4-3.フェノールフォーム断熱材1種2号CⅡタイプ
5.どの断熱材を使うべきか?
6.まとめ

1.断熱材の種類

ポリエステル、綿、羽毛、羊毛、グラスウール、発砲ポリエチレン、発砲ポリスチレン、発泡ウレタン、etc….。
すべて断熱材として使われる素材ですが、これらに共通なことは空気をたくさん含んでいるということです。

2.断熱材の用途

洋服、寝具、住宅、工業、宇宙船など様々なものに使用されていますが、基本的に外部の温度変化から内部の温度を保つことや、逆に内部の温度を外部に漏らさないようにすることが断熱材の用途です。
業務用保冷保温ボックスはこの断熱効果が特に優れています。

3.保冷保温ボックスに使用している断熱材の特徴

3-1.素材

業務用保冷保温ボックスに使用している断熱材は、天然素材や繊維ではなく、樹脂によるプラスチック製の断熱材がほとんどです。。

3-2.優れた熱伝導率

熱伝導率は数値が小さいほど保冷保温効果が高いと言えます。外気温度に影響を受けることなく、内部温度を保持します。業務用保冷保温ボックスに使用している断熱材は、気泡が小さいので輻射熱が跳ね返される回数が増えて、輻射による熱移動が少なくなり、熱が伝わりにくくなります。また、対流もほとんど起きず、さらに熱が伝わりにくくなっています。

3-3.吸水性・吸湿性がほとんどありません

業務用保冷保温ボックスに使用している断熱材は独立した気泡構造となっているため、スポンジのように水分を吸収することはありません。結露や液体を吸収することは無く、カビや菌の発生の原因を排除します。また、吸水することによる断熱効果の劣化を防止しています。

3-4.ノンフロンです

以前、断熱材の発泡にフロンが使用されてきました。フロンはオゾン層の破壊、温室効果が高いことによる 地球温暖化が問題となり法律で禁止されたので、現在では一切使用していません。

3-.5リサイクルできます

弊社が使用しているこれらの断熱材はリサイクル可能な素材です。まさにSDGs対応素材。

4.キラックスが使用している断熱材

4-1.押し出し法発泡ポリスチレンフォーム断熱材3種bAタイプ

キラックス標準タイプ。ほとんどのネオシールドに使用しています。
熱伝導率0.028W/(ⅿ・k)JIS A 9511。独立した小さな気泡の中に気体を閉じ込めることにより、熱伝導の三要素として知られる”伝導・輻射・対流”を抑制。また、独立した気泡が、断熱の大敵である水を入りにくくし、断熱性能の劣化を防いでいます。完全ノンフロン化により、PRTR法対象物のゼロ化を実現しました。ホルムアルデヒドも含まれておりません。

4-2.押し出し法発泡ポリスチレンフォーム断熱材3種aⅮタイプ

標準タイプより性能をup。熱伝導率0.022W/m・K、ノンフロン・ノンホルムアルデヒド・4VOC基準に適合。高断熱のメカニズム 気泡形状による 熱伝導の抑制効果 気泡膜の新技術による 輻射熱の抑制・ガスバリア性がUP。JIS A 9521規格に合格。断熱・防露に威力を発揮します。

4-3.フェノールフォーム断熱材1種2号CⅡタイプ

更に性能を高めた高性能断熱材。
熱伝導率0.020W/(ⅿ・k)、フェノール樹脂というものでできていて、多くのプラスチックが熱を受けると柔らかくなるのに対し、熱をくわえると硬くなる、世界で初めて人工的に合成されたプラスチックです。そのため、高い耐熱性・ 難燃性が求められる部分に幅広く用いられています。身近なところでは、フライパンの取っ手、自動車の部材等に用いられています。
このフェノール系の断熱材は、気泡がとても小さいので、輻射熱が跳ね返される回数が増えて、輻射による熱移動が少なくなり、断熱効果が高まります。また、気泡が小さいと対流もほとんど起きず、さらに断熱効果が高くなり、まさに優れた断熱材だと言えます。

5.どの断熱材を使うべきか?

断熱材は種類によっても性能が異なりますが、その厚みによっても性能は変わってきます。また、保冷保温ボックスの大きさや冷媒・熱媒の使用量、管理温度や時間など様々な要素を考えて検討しなくてはなりません。温度管理、定温物流機器のスペシャリストにご相談いただく事をお勧めいたします。

6.まとめ

弊社には、温度管理・定温物流機器のスペシャリストが多数控えております。断熱材だけではなく、外装のアルミ蒸着シートなど各種部材、蓄冷剤ポケットや透明ポケットなど付属品、持ち手やショルダーベルトなど各種仕様etc・・・・。お客様のご要望にお応えできる製品をご提案いたします。是非、お気軽にお問い合わせください。

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