3分でわかる!冷凍車と冷蔵車の違いを徹底解説!

業界あれこれ
2022.07.06

冷凍車、冷蔵車とは、生鮮食品や冷凍食品など温度管理が必要な積荷を運搬するため、トラックの荷台部分に冷却機能があり、氷点下まで温度を調整することができるトラックです。
冷凍車と冷蔵車の違いってなに?
冷凍車や冷蔵車は一般的なトラックと全く違う構造なの?
冷凍車や冷蔵車を使う時に注意することはなに?
当コラムではこのような疑問に対し、簡潔でわかりやすく解説していきます。

■目次■
1.冷蔵車と冷凍車とは?
 1-1一般的なトラックとの違い
 1-2日々のメンテナンスで必要なことは?
2.冷蔵車、冷凍車、保冷車の違いとは?
 2-1冷蔵車の特徴
 2-2冷凍車の特徴
 2-3保冷車の特徴
3.冷蔵車と冷凍車のメリットと注意点
 3-1冷蔵車、冷凍車を使うメリット
 3-2冷蔵車、冷凍車を使う注意点
4.まとめ

1.冷蔵車と冷凍車とは?

1-1一般的なトラックとの違い

冷蔵車や冷凍車と聞くと、食品の温度を一定の温度に冷やして運ぶ事ができるため、通常のトラックと根本的に構造が違うと考えている方もいるかもしれません。しかし実際に違うのは、ボディ(荷台)部分に冷却機能がついているか、いないかの違いだけです。また、冷却機能の構造についても一般の乗用車のクーラーとほとんど変わりありません。

2.日々のメンテナンスで必要な事は?

冷蔵車や冷凍車は食品の運送を行うため、ボディ(荷台)部分の清掃が必要です。さらに冷却性能を保持するため、定期的にドレインホースの水洗いと破損確認を行う必要があります。ドレインホースが破損していると、破損部分から冷気が逃げるため日常点検を欠かさず行うことが大切です。

2.冷蔵車、冷凍車、保冷車の違いとは?

冷凍車と冷蔵車の違いは、『管理できる温度帯や機能が異なる』ことです。
特に冷凍車では管理できる温度帯がさらに細分化されます。

また、温度設定によって冷蔵と冷凍を使い分けている場合もあります。

2-1.冷蔵車の特徴

管理温度…5度前後設定温度を高めに設定し、氷点下まで冷やさないのが冷蔵車の特徴です。家庭用冷蔵庫と同様に、常温では保管が難しく、凍らせる必要のないものの運搬に使用されます。

2-2.冷凍車の特徴

冷凍車は保管温度により、中温車と低温車に分ける事ができます。
【中温冷凍車】管理温度…マイナス5度前後
鮮魚や精肉など、主に生鮮食品の輸送などに活用されます。
【低温冷凍車】管理温度…マイナス15度以下
業務用冷凍庫に匹敵する高い保冷却機能を持ち、アイスクリームや冷凍食品を運搬する事ができます。
また、冷凍車の構造は主に機械式、窒素式、蓄冷式の3タイプに分類されます。

【機械式】
機械式とは、クーラーと同じ原理で荷台の冷却を行う方式です。温度調節がしやすい為、最も多く利用されています、荷台には冷却の為の5つの装置が搭載されています。
①冷媒を圧縮して高圧・高温にしたガスをコンデンサーに送るコンプレッサー
②受け取ったガスを外気で冷却し、冷媒液に送るコンデンサー
➂冷媒液を気化させるエバポレーター
④冷媒液によって冷却された空気を荷室内に循環させるターボファン
⑤室内の温度管理をコントローラー
機械式のメリットは保冷時間に制限がなく、コントロールがしやすいため、どのような
状況でも使いやすいことと言えます。
【窒素式】
窒素式は、液体窒素を使って荷台の温度を下げる仕組みで、特に傷みやすい鮮魚や精肉の運送に適してします。沸点-196℃の液体窒素を使うので、他の冷却方式と比べて最も冷却効率が高く、荷台温度を-40℃以下にまで下げる事が可能です。
【蓄冷式】
蓄冷式とは、あらかじめ凍結させた冷凍板の冷気で庫内の温度を一定温度に保つ仕組みです。冷凍板は夜間等の配送をしない時間帯に電力によって冷凍機を稼働し、凍結させます。冷却時間は約8時間で、エンジンを切っても荷台の温度が急激に下がる事がありません。頻繁に積荷の荷下ろしがある青果やケーキ類の運搬に適しています。

2-3.保冷車の特徴

冷凍車に似ている車体に保冷車があります。保冷車はあくまで荷室の温度を保つことを目的とし、冷凍機能が装備されていないトラックです。荷室に氷やドライアイスを入れることによって荷室の温度を保ち輸送をします。冷凍車と同じく、生鮮食品やお弁当などを運ぶ場合もあります。また、荷室が密閉されているという特徴から、医薬品を輸送するケースもあります。

3.冷蔵車と冷凍車のメリットと注意点

3-1.冷蔵車、冷凍車を使うメリット

冷蔵車、冷凍車を使うメリットは徹底した温度管理を行いながら運送できることです。さらに冷蔵品と冷凍品を同時に運送することができるため、管理温度の違う荷物を1台で配送でき、大幅なコストダウンに繋がります。また、冷却を切れば他の車両が扱うような荷物も運送が可能となるため、様々なシーンで活躍する万能な車両であると言えます。

 3-2.冷蔵車、冷凍車を使う時の注意点

庫内の温度を希望の温度に下げるまでには時間がかかるため、運転手は荷物を積み込む前にあらかじめ庫内を冷やしておく事が大切です。また、荷室の扉を開ける度に外気が侵入して温度が上昇してしまう為、素早く荷物の出し入れを行う必要があります。冷気が満遍なく行き渡るためにも、荷物は隙間なく詰めないようにしてください

4.まとめ

冷凍車と冷蔵車の違いは、管理できる温度とそのための冷却装置に違いがある事がお分かり頂けたかと思います。また注意点として、荷室の扉を開ける度に外気が侵入し、温度が上昇する事が挙げられましたが、食品等の荷物を保冷ボックス内に入れておく事で、その影響を低減させる事が可能です。冷凍車、冷蔵車と保冷ボックスをどのように組み合わせれば、最適な温度管理が実現できるのか。弊社では蓄積されたノウハウを基に最適なご提案をさせて頂きます。