パレット用保冷カバーの種類と選び方

温度管理のヒント
2023.06.17

物流の2024年問題。2024年4月1日以降、働き方改革関連法によって自動車運転業務の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されます。ドライバーの業務時間が短縮されるため、物流関連各社ではいかに積載効率・配送効率を上げることができるかが課題となっています(物流の2024年問題関連コラムはこちら「【国際物流展レポ】物流2024年問題への対策、一緒に取り組みませんか?」)。
今回は積載効率アップに一役買っている様々なパレット。これに対応できる「保冷カバー」にスポット当ててご紹介したいと思います。パレットでは難しいと思いがちな温度管理輸送について事例を踏まえて解説します。

―目次―
1. パレット輸送の必要性と種類や特徴
1-1. パレット輸送の必要性
1-2. パレットの種類と特徴
2. パレット用保冷カバー使用例
2-1. 食品業界の使用例
2-2. 工業用途の使用例
2-3. ネオシッパー&ネオシールドタイプ比較
3. 保冷カバーの選び方と注意点
3-1. 保冷カバーの選び方
3-2. 検討時の注意点
4. まとめ

1. パレット輸送の必要性と種類や特徴

1-1. パレット輸送の必要性

なぜパレットを使用するでしょうか。物流を必要とする貨物には段ボール梱包を始め、様々な荷姿の貨物が存在します。それらの貨物を一つ一つ運ぶことは現実的ではありません。パレットを使用することでそれらの貨物をまとめて運ぶことが可能となります。
また貨物と同様にパレットにも貨物や用途に応じて様々な形状・素材のパレットがあり、それぞれをうまく活用することで荷役搬送における可動性や積載性を格段に向上させることができ、作業効率UPに繋がります。

1-2. パレットの種類と特徴

パレット(Pallet)には様々な種類があります。一般社団法人日本パレット協会が紹介している7種類のパレットの各名称と特徴は以下の通りです。日頃、目にしたことのあるパレットもあるのではないでしょうか。

参考引用:一般社団法人日本パレット協会より

2.パレット用保冷カバー使用例

次にキラックスで製作した実績のあるパレット用保冷カバーの使用例をご紹介します。尚、ロールボックス型パレット(通称:カゴ台車)については規格製品の用意もあり、特注品としても数多くの実績があることから本件からは除外します。

2-1. 食品業界の使用例

食品ではロールボックス型パレット(通称:カゴ台車)やオリコンなどを使用するケースが多いですが、平パレットサイズとして「冷凍パン」の輸送で使用されている使用例をご紹介。車両にも直に積載することから観音扉で開閉ができ、温度計も搭載しております(ネオシールドタイプ)。

2-2. 工業用途の使用例

続いてはあまり多い事例とは言えませんが、工業用原料が入った一斗缶を輸送・搬送する用途の保冷カバーをご紹介。平パレットサイズでパレットごと一斗缶を包み込み、フォークリフトでそのまま荷役も可能な保冷カバーとなります(ネオシッパータイプ)。

2-3. ネオシッパー&ネオシールドタイプ比較

キラックスの保冷カバー/ボックスは主にネオシッパーとネオシールドの2種類のタイプを用意しています。パレット用としてもどちらのタイプを選ぶかは温度管理・用途・運用方法・コストの要望から比較検討をして選定をおこなうことを推奨しています。
ネオシッパーについてはこちら→キラックス製保冷ボックス『ネオシッパー』 サイズや特徴を1から解説!
ネオシールドについてはこちら→理想の温度管理はキラックス製断熱ボックス「ネオシールド」にお任せ!

3. 保冷カバーの選び方と注意点

最後にパレット用保冷カバーの選び方(仕様設定)と注意点について解説します。

3-1. 保冷カバーの選び方

パレット用の保冷カバーを検討する際にはまず以下の要件を確認します。
・パレットの種類
・内容物サイズ、容体
・温度管理要件(ネオシッパーorネオシールド)
・輸送環境や輸送時間
・荷役方法
・保冷カバーの収納性
それぞれのついて詳細な打合せをおこない、要件設定・仕様設計をおこないます。

3-2. 検討時の注意点

前項を基にパレット用保冷カバーを製作するにあたり、注意点についても抑えておきましょう。パレット用保冷カバーは比較的大型となることに起因した問題など実際の製品使用時に難がないような構造を検討する必要があります。
例えば収納性。使用しない時に大きく場所を取ってしまうことは極力避けたいという要望があります。その場合には折畳みがし易い構造(折り目に縫製加工)にすることでコンパクトに収納することが可能です。
次にサイズ設計。保冷・保温効果を高めるためには極力、保冷カバー内部の空間が少なくなるようなサイズ検討が必要です。但し、あまりにもタイトなサイズ設計とするとフォークリフトなどでパレットと共に貨物を保冷カバーに包装する際に開口部(ファスナー部)などが閉めにくくなる可能性もあります。温度管理の許す限り、ある程度ゆとりを持ったサイズ設計をおこなうように心がけましょう。

4. まとめ

パレット用保冷カバーについて、いかがだったでしょうか。食品業界以外にも工業界・化学化成品業界などパレットを荷役として使用するケースは多くなっています。輸送効率や積載効率アップをおこないつつ、温度管理も実現できるように保冷カバーの使用をご検討ください。キラでできることとして温度管理のみならず、使用環境に合ったより使い易い保冷カバーの製作をお手伝いします。
お問い合わせいただいた方には、定温輸送事例集「キラの巻 vol.3」を進呈しています。是非とも弊社営業までお気軽にお問い合わせください。
キラの巻(vol.3)

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