理想の温度管理はキラックス製断熱ボックス「ネオシールド」にお任せ!

保冷保温ボックスの秘密
2022.11.20

近年、コロナ禍により家庭内で食事をする機会が増えたことで「中食」の需要が増加しました。各地のスーパー・量販店で販売されている調理済み食品の中でも長期保存ができ、フードロスの削減にも有効とされていることから冷凍食品の販売増加が顕著となっています。冷凍食品を取り扱っている各店舗においても冷凍ショーケースを増やし、販売量の増加に対応しており当然、冷凍食品の輸配送量も増加しています。

○冷凍食品国内消費量の推移

(※「一般社団法人 日本冷凍食品協会より抜粋)

こうした冷凍食品などは低温管理や品質を維持するためのコールドチェーンによって流通が支えられています。多様化する冷凍食品のニーズや消費量・流通量の増加に伴い、コールドチェーンも商品の種類や地域・季節に応じて、より幅広く精度の高い低温管理が求められています。
今回はそうした冷凍食品など厳しい温度管理の流通に活躍しているキラックスの「ネオシールド®」にフォーカスしてご紹介します。また、冷凍食品のみならず、様々な温度管理や使用環境に対応可能であることもご案内したいと思います。

◎保冷ボックスの購入を検討されている方必見!
【保存版】購入前に押さえておきたい10項目~冷凍ボックス・冷蔵ボックス~

-目次―
1.高性能断熱ボックス「ネオシールド®」とは?
1-1. ネオシールドの基本構造
1-2. ネオシールドの特徴
1-3. ネオシールドとネオシッパーの違い
2. ネオシールドの活用シーン
2-1. 食品業界のネオシールド活用
2-2. 医療・医薬品業界のネオシールド活用
3. ネオシールドのカスタマイズ案をご紹介
3-1. 血液・医薬品タイプ
3-2. 物流機器対応タイプ
3-3. 新折畳み構造
4. まとめ


※ネオシールドの断面構造

1.高性能断熱ボックス「ネオシールド®」とは?

1-1. ネオシールドの基本構造

まずはキラックスで製造している「ネオシールド®」の構造についてご説明します。「ネオシールド®」は主に2つの素材で構成されています。
・多層フィルム(アルミ蒸着生地)
・押出発泡ポリスチレンフォーム(断熱材)

〈多層フィルム(アルミ蒸着生地)〉
ボックスをする内外装生地に使用。アルミニウムを蒸着・被覆した多層樹脂フィルムでできているオリジナル生地です。この生地は外部からの太陽光や熱を約85%反射し、内部からの輻射熱を反射して内容物の温度を維持します。これらは自社生産品となっており、遮熱性能以外にも表面強度・剛性・機械強度(引き裂き、衝撃、屈曲強度)が強い特性があり長期の使用に耐える内外装生地となっております。

〈押出発泡ポリスチレンフォーム(断熱材)〉
内外装生地に加えて断熱構造に重要なのが断熱材です。多くの空気層を作り出す「押出発泡ポリスチレンフォーム(XPS)」が内蔵されていることで高い断熱効果を生み出しています。

1-2. ネオシールドの特徴

当社の「ネオシールド®」は定温物流容器の中でも非常に断熱性能に優れ、より厳密な温度管理が可能な容器となります。もちろん外部からの熱侵入を防ぐだけでなく、内部からの熱放出も防ぎますので保冷・保温どちらの用途においても高い断熱性能を発揮します。前述した断熱材「押出発泡ポリスチレンフォーム(XPS)」についても要件の一つに過ぎません。この断熱材の厚みや種類を変えることで環境・状況・管理要件に適した断熱ボックスを製作することが可能です。但し、輸配送・物流を用途とした場合には必ずしも過剰スペックである必要はなく、コストを抑えるためにも温度管理に合った断熱材の選定で的確な性能の容器を作り上げることが重要です。

1-3. ネオシールドとネオシッパーの違い

キラックスにはネオシールド同様に定番製品である「ネオシッパー®」という定温物流容器があります。どちらも保冷・保温ボックスとなりますが、ネオシッパーはネオシールドに比べ、断熱材の厚みが薄く・柔軟な容器構造となっている製品です。主に短時間の食品保管や輸配送時に使用され、非常にコンパクトに折畳むことができる点が特徴です。ご相談時には使用環境や管理温度・管理時間を考慮して、どちらのボックスを選択するべきかを総合的に検討します。(ネオシッパーの詳細はこちら

2.ネオシールドの活用シーン

2-1. 食品業界のネオシールド活用

食品の輸配送で活用されているネオシールドをご紹介します。

・食料品の輸配送(冷蔵・冷凍)
スーパーマーケット・ディスカウントストア・ドラッグストアなど食料品を販売している店舗への配送や生産拠点から配送センターまでの拠点間輸送において、主に低温の温度管理が必要な商品へ使用されています。

・食料品の移動販売用
近年、食料品に関するあらゆる業態でデリバリーをおこない、消費者への利便性・サービス向上につながる取り組みがされています。某豆腐販売会社様の事例(以下、画像)では車両一杯に積載したネオシールドに豆腐や関連商品を詰め込んで移動販売をされています。
温度管理のみならず、容器の強度が高いことから重ね積みを可能にし、オーダーメイド対応により蓋の開閉構造などより使い勝手の良い保冷ボックスに仕上がっています。

2-2. 医療・医薬品業界のネオシールド活用

ネオシールドは食品業界だけでなく、医療・医薬品業界などにも使われています。

・医療、医薬品の配送(保温・冷蔵・冷凍)
薬事店舗(薬局)や各種病院・クリニックなどで処方提供及び販売される医療・医薬品についても冷蔵や冷凍管理を始め厳格な温度管理が必要な薬品類に対して、商品ごとに使用されています。中には+2~+8℃内や+20℃以下、+30℃以下という「保温」帯の長時間管理にも使われています。
これらの場合、ネオシールドの製作過程において温度バリデーション(温度試験などによる温度管理基準を満たしているかどうかの確認)を取得することが多くあります。

・血液(製剤)の輸送
全国の医療機関へ向けて365日24時間体制で対応している各地の血液センターでは輸血用血液の品質の劣化を防ぐため、各血液製剤(血液)に適した温度の冷蔵(冷凍)庫などに保存されています。また、献血先から血液センター及び血液センターから医療機関への輸送時にも厳格な温度管理が求められています。こういった現場にも運搬用ケース(バッグ)としてネオシールドが使われております。

3. ネオシールドのカスタマイズ案をご紹介

ここでは様々な用途ごとに製作したネオシールドの特徴をご紹介します。

3-1. 血液・医薬品タイプ

厳しい温度管理が必要な血液(製剤)輸送や医療・医薬品の輸配送に使われるネオシールドでは高い断熱構造の設定と温度表示や温度ロガーなどの設置を付加することがあります。
まず容器の温度管理性能を左右する断熱材について、上述したXPS(発泡ポリスチレンフォーム)以外にも断熱材の種類により熱の伝わり易さ=「熱伝導率(単位:W/m・k)」が異なり、それぞれ厚みによっても断熱効果が変わってきます(「保冷保温ボックスは、スゴイがたくさん詰まった魔法の箱! 第4回『断熱材その1』」コラムはこちら)。
続いて、管理温度の逸脱を防止・確認・記録するために容器の前面部への温度計や温度ロガーの設置をするケースもあります。温度計はソーラー式と電池式があり、搭載することでその場で温度を確認することが可能となります。温度ロガーは温度表示以外にも事前に設定した時間単位ごとに温度を記録しますので内容物の品質異常や温度逸脱が疑われた場合に記録された温度の履歴を確認することができ、温度管理の改善・見直しを図る一つの根拠とすることが可能です。

3-2. 物流機器対応タイプ

ネオシールドは全て特注で製作するオーダーメイド製品となります。その為、単一の箱型容器としてだけでなく、あらゆる物流機器に応じた形状や構造を作り上げることも可能です。
一例として、カゴ台車(ロールボックス)や6輪台車の内部に合った形状(下記、画像参照)や番重・コンテナ・クレートの配送に使われるドーリー台車を積載貨物ごと搭載できるネオシールドも製作できます(下記、画像右端)。
既存の物流機器に合わせて製作することで、より扱い易い温度管理機能を付加したオンリーワンの物流機器にすることが可能です。

3-3. 新折畳み構造

最後に新しいネオシールドをご紹介します。今年9月に東京ビッグサイトで開催された「国際物流総合展2022」においてキラックスブースで展示した新製品の一つとなります。
「【国際物流展レポ】物流2024年問題への対策、一緒に取り組みませんか?」コラムはこちら
高い断熱性能は従来のままに、素早く組み立て・折畳みのできるニュータイプの断熱ボックスを発表しました。特に冷凍食品の輸配送などにおいて、日々、断熱ボックスを大量に使用されるユーザーにとってはボックスの組み立て・折畳み作業は大変な手間になります。従来品との時間比較をしたところ一度の作業時間はたった10秒前後の違いとなりますが、これが1日に数十個、数百個の作業となれば時間短縮=コスト削減となることは明らかです。また、折畳み構造にすることで断熱ボックスの回収時・保管時の省スペース化にも繋がります。

4. まとめ

今回は高性能断熱ボックス「ネオシールド®」にスポットを当てて、ご紹介させて頂きました。高い断熱構造のボックスを使用することで低温管理に必要となる冷媒(ドライアイスや保冷剤・蓄冷剤)の使用削減効果も期待できます。仮にドライアイスの使用を削減できるとなればランニングコストの削減に直接 繋がります。
ネオシールドの検討にあたっては輸送する商品の情報や使用環境・管理温度・管理時間など、できる限りの詳細な要件をご提示頂くことでより運用に適した無駄の少ないオリジナルの保冷・保温ボックスを設計・製作することが可能です。ぜひお気軽にキラックスまでお問合せください。
キラックス理念

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