混載輸送を解説!効率化の取り組み&現状課題も

業界あれこれ
2022.06.14

2024年問題や人手不足、原油価格の高騰を背景とした物流コストの上昇等々、関連する企業の悩みは尽きません。そんな中、物流に対しての効率化やコストダウンの検討は不可欠となっています。
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2016年10月に改正・施行された「物流総合効率化法」では、2社以上の物流企業や荷主が1台のトラックを利用する「共同配送」や、トラックから鉄道や船舶などの大量輸送手段に切り替える「モーダルシフト」といった取り組みに対して、さまざまな優遇措置を提示。また、EC物流の増加に伴い、混載輸送の必要性はますます増えています。
この記事では基本的な混載輸送についての解説と様々な輸送経路・手段などをご紹介。今後、ますます活発となる物流の効率化・コスト改善の検討にお役立ちできればと思います。

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-目次-
1. 混載輸送とは?
1-1.混載輸送とは何か?
1-2.混載輸送のメリット・デメリット
2. 混載輸送を利用した効率化の取組み
2-1.輸配送の共同化による配送効率UP
2-2.輸送網の集約による効率化
2-3.モーダルシフトによる輸送効率化
3. 混載輸送の課題と対策
3-1.混載輸送の課題
3-2.混載輸送の対策
3-3.混載輸送の採用事例
4. まとめ

1. 混載輸送とは?

1-1.混載輸送とは何か?

混載輸送(Consolidation)とは特定の同じ地域や同じ方面へ、複数の荷主をもつ多くの貨物をひとつの輸送機関に積み合わせて(混載して)輸送すること。1台のトラックに同一荷主及び同一輸送先として貨物を輸送するチャーター輸送と大別される輸送方法です。一般的に言われる「路線便」はまさに混載輸送を利用した輸配送手法となります。混載輸送は近年課題となっているドライバー不足による輸送効率UPの観点からも、より工夫を凝らした輸送方法の検討が活発になってきています。

1-2.混載輸送のメリット・デメリット

次に混載輸送のメリット・デメリットについて、大別されているチャーター輸送と比べた内容を挙げていきます。

第一に運送コストが安いことは大変大きなメリット。輸送に必要なコストを多くの荷物・荷主で分割していると考えれば、チャーター輸送のように集荷から配送時まで同一ドライバー・トラックを拘束する方法との違いは明らかです。EC物流の拡大にもこの点が活かされています。但し、配送の詳細な時間指定が難しいことに加えて、配送先が複数となることによる誤配送や積み合わせによる荷破損のリスクはチャーター輸送よりも高いと言えるでしょう。

2. 混載輸送を利用した効率化の取組み

混載輸送を利用した効率化の取組みとして、2016年10月に物流総合効率化法(国土交通省 資料)が改正施行されました。ここからは、支援対象となる流通の効率化事業例についてご紹介します。

2-1.輸配送の共同化による配送効率UP

輸配送の共同化は、複数企業の保管・荷役・輸送・配送など「物流諸機能」を共同で行うことを指す「共同物流」という言葉が同義的に使用されます。様々な輸配送の共同化が取り組まれていますが、主体となる企業の組み合わせによって大きく3つに区分することができます。

1つ目が同業種による共同化。言葉通りですが同業種の荷を集約し、共同輸配送・共同保管・共同受発注などの連携により効率化を図る方法です。荷扱いの特性や輸送・配送先特性に類似性があるため、混載などの条件を整えやすいという特徴があり、従来の共同物流の主流となっています。
2つ目がサプライチェーン全体の連携による共同化。メーカー・卸・小売の流通三層が、在庫情報、販売情報、輸配送情報などを共有化して生産から店頭販売までのプロセスを共同プラットフォームで運営していくことにより、効率化を追求するというものです。
3つ目は物流ネットワーク資産の活用による共同化。主に物流事業者が、保有している資産・ノウハウを活用して各種物流サービスを創出し、単一企業が行うよりも安価な物流を提供することにより成立するというものです。共同集荷、共配センター運営、納品代行など、業種業態に特化した高い専門能力を保有している場合に実現が可能となります。
これら共同物流の取組みについては取り組む荷主・事業者への財政的支援としては、物流総合効率化法認定による補助金交付なども実施され、取り組みが推進されています。

F-LINE株式会社ホームページより抜粋↑

2-2.輸送網の集約による効率化

輸送網の集約による効率化とは、各地に点在する物流拠点を集約し輸送をまとめることを言い、トラックの台数や走行量を削減する取り組みになります。大手物流会社の例では物流センターを活用した輸送の効率化を行い、CO2排出量の削減やドライバーの運転時間を省力化できると見込まれています。
また、最近ではトラック予約受付システムなどの導入により、拠点ごとの作業効率化やトラックの回転率が向上。さらに待機時間が削減され、CO2排出量の削減も実証されております。


株式会社富士ロジテック ホームページより抜粋↑

2-3.モーダルシフトによる輸送効率化

モーダルシフト(Modal Shift)は、主に長距離の貨物輸送をトラックなどの車両輸送より環境負荷の低い輸送手段に転換することを言います。鉄道・船舶・航空輸送を利用した大量輸送をすることにより効率に繋がる手法です。
主に温室効果ガス(CO2)の排出削減のイメージが強いですが、物流業界の課題である「ドライバー不足」対策としての目的も大きい取り組。また、旅客鉄道やバス・タクシーの空きスペースを活用した「貨客混載」もモーダルシフトの手段の一つとして取り組まれています。
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3. 混載輸送の課題と対策

ここまで混載輸送についての説明と拡大している背景や混載輸送を使った取り組みなどを紹介してきました。ここからは輸送品質に焦点を当て、特に温度管理を必要とした混載輸送の課題と対策についてご紹介させて頂きます。

3-1.混載輸送の課題

前述のように、混載輸送では多数の荷主・多様な商品をトラック1台で取扱うことになりますが、中には一定の温度を保ちつつ輸送する必要がある商品も対象となっています。
厳密な温度管理をした定温輸送をしたい場合、下記のようなことが懸念・課題となるでしょう。
・冷蔵車や冷凍車を使用すると、常温車と比較して高額となる
・ある程度の荷量がないと、メリットが小さくなる
・多数の届け先がある場合、社内の温度管理が難しい

3-2. 混載輸送の対策

そういった課題解決にお応えできるのが当社の保冷ボックスです。常温車・冷蔵車・冷凍車問わず、または混載することを目的に内容する商品の温度管理や維持するために必要な保冷剤量の試算及びそれに応じた保冷ボックスの設計・製作をお手伝いさせて頂くことができます。以降に事例をご紹介します。

3-3.混載輸送の採用事例

混載輸送で使用される保冷・保温ボックスの採用事例の一つとして、冷蔵車・冷凍車(混載輸送もしくはチャーター輸送)から常温車(混載輸送)への切り替えに活用できることがあります。仮に、物量が少ない上に冷蔵車でチャーター輸送している商品などは運送費用削減のメリットも大きいものとなります。集荷前(ピッキング時)から輸送~配達(格納)までの時間を想定した管理温度時間と管理温度に応じた冷媒量を試算・設定。保冷ボックスや保冷剤などの資材管理は必要となりますが、それをカバーできるほどのコストメリットが叶えやすい例となります。
また、一つの温度帯だけでなく、2つ3つなど複数の温度帯を同時に輸送できる保冷BOXも実績がございます。高性能断熱材で囲われたBOX内部をさらに断熱材で仕切りを作ることで温度帯を区分けします。それぞれの空間の管理温度・管理時間に応じて、保冷剤のグレード及び使用量を使い分けることで複数温度帯の管理輸送を実現することが可能です。

4. まとめ

以上のように、混載輸送について述べてきましたが、今まさに国をあげた物流効率化の取組みに混載輸送は焦点を当てられています。様々な業種・業界の様々な商品物流に対してドライバー不足・CO2削減の取組みを中心とした対策が求められている中、少しでも無理や無駄を無くし、一つの経路でいかに効率よく物を運ぶかが重要視されています。輸送効率化の工夫を実行しながら物流品質を維持するための一つとして、温度管理が必要となる際にはぜひキラックスまでお問合せ頂けばと思います。

キラックス理念

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