魚は鮮度が命!魚の正しい保存方法で鮮度を長持ちさせよう
魚は鮮度が命!
・冷蔵と冷凍の保存方法に違いがあるの?
・丸ごと1尾と切り身は同じ保存方法でいいの?
・自宅に届くまで、魚はどのように配送・輸送しているの?
など傷みやすいとされている魚の保存方法に困ったことはありませんか?
魚の保存は意外と難しく、冷蔵保存・冷凍保存ともに保存の際にひと手間加えないと、うまみ成分が抜けてしまい、パサパサした身になってしまいますよね……。
この記事では、そんなお悩みを冷蔵保存と冷凍保存別に、丸ごと1尾と切り身に分けて分かりやすく解説。保冷ボックスを製造する株式会社キラックスが、魚の下処理のポイントから保存方法、解凍方法までまとめてご紹介します。
この記事をお読みいただければ、ご家庭における魚の保存方法から、自宅に届くまでの魚の輸送方法まで、魚の温度管理・保存方法がお分かりいただけます。
◎キラックスが製造している保冷ボックスについてはこちら
・キラックス製保冷ボックス『ネオシッパー』サイズや特徴を1から解説!
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■目次■
1.魚の適正な保存温度や保存期間について知ろう!
1-1.食中毒を防ぐポイントとは?
2.魚の冷蔵保存の方法とは?
2-1.丸ごと1尾の冷蔵保存方法
2-2.切り身の冷蔵保存方法
3.魚の冷凍保存の方法とは?
3-1.丸ごと1尾の冷凍保存方法
3-2.切り身の冷凍保存方法
3-3.冷凍保存の解凍方法3選
4.魚が自宅やスーパーに届くまでどのように輸送しているの?
4-1.自宅に届くまでの配送方法
4-2.スーパーやドラッグストアの店舗配送方法
5.まとめ
1.魚の適正な保存温度や保存期間について知ろう!
まずは、魚を冷蔵・冷凍で保存するために必要な魚の適正保存温度をご説明します。
魚と言っても、マグロやサケなど様々な魚がいます。冷蔵保存の場合、魚の種類によって適正な保存温度が異なります。基本的に-1℃~2℃が適正保存温度ですが、1℃の差が魚の鮮度に影響を与える可能性もあります。
また、冷蔵保存の場合の保存期間についても魚の種類によって異なり、サバは5~8日間なのに対して、サケはなんと18日間! かなり差があるのです。
基本的に冷蔵保存する場合は、より鮮度が高いうちに食べるために2日~3日までには食べるようにしましょう。それ以上保存する場合は、冷凍保存がオススメ。
※弊社HP(保冷・保温ボックス.com)より抜粋
関連リンク:水産品および一般食品の性質と貯蔵条件
1-1.食中毒を防ぐポイントとは?
魚類に含まれるヒスタリンによって、食中毒が起こる可能性があります。
症状として、食べた直後から1時間以内に、顔面(特に口回りや耳たぶ)が紅潮し、頭痛、じんましん、発熱などが起こりますが、ほとんど重症になることはありません。
しかし重症の場合、呼吸困難になる可能性もあるので、魚類に含まれるヒスタリンによる食中毒を防ぐポイントを3つご紹介します。
■ヒスタリンは加熱しても減少しない?
一度蓄積したヒスタリンは、加熱調理しても分解されません。そのため、ヒスタリンを蓄積させない冷蔵か冷凍で保存しましょう。
■常温で放置してはいけない?
常温で放置した場合、24時間後に食中毒発症の可能性があるヒスタリン指数を上回ります。冷蔵保存は約1週間、冷凍保存は2週間後でもヒスタリン指数はほとんどありません。そのため、冷蔵か冷凍で必ず保存し、冷蔵保存では、1週間以内に食べきりましょう。
■ヒスタリン生成抑制には冷凍保存が効果的?
上記でもあるように冷凍保存の場合、2週間後でもヒスタリン指数はほとんどありません。そのため、1週間以上保存する場合は冷凍保存がオススメ。ただし、冷解凍の繰り返しは控えましょう。
2.魚の冷蔵保存の方法とは?
2-1.丸ごと1尾の冷蔵保存方法
魚を丸ごと1尾の冷蔵保存する場合にポイントは3つ。
・下処理
・冷蔵室より低い温度での保存
・ドリップの抑制
1つ目に、魚を丸ごと冷蔵保存するためには下処理が重要になります。
魚は頭、内臓(ワタ)、エラ、ウロコから傷みが進むと言われているため、水分を取り除いてから冷蔵保存しましょう。
そして、冷蔵保存と言っても、冷蔵庫のチルド室やパーシャル室を活用し、冷蔵室より低い温度で保存することで、より鮮度を長く保つことができます。
また、ドリップの抑制も魚を丸ごと保存するためのポイントに。
魚の臭みの原因は主にドリップ現象。ドリップ現象とは、冷蔵・冷凍することで、食品にダメージが加わり、組織の保水能力が失われることで、魚の水分が流れ出る現象のこと。
魚の水分には、たんぱく質やうまみ成分が含まれているので、ドリップ現象をできるだけ抑えなければいけません。
魚の臭みの原因となるドリップ現象を抑えるため、魚の水分はよく拭き取ったのちに、ペーパータオルで包むことが重要! また、魚介類は空気に触れることで雑菌が増えて鮮度が落ちやすくなります。空気に触れないようにラップで包んで保存しましょう。
魚を丸ごと1尾冷蔵保存するためには、下処理と保存温度、ドリップの抑制に気を付けることが大切です。
2-2.切り身の冷蔵保存方法
魚の切り身の冷蔵保存の場合にポイントは3つ。
・切り身の水分を拭き取る
・1切れずつラップで包む
・冷蔵室より低い温度での保存
切り身の冷蔵保存も丸ごと1尾と同様に、切り身の水分をよく拭き取ることが大切です。
また、切り身と切り身がくっついた状態で冷蔵保存すると、色が変わる原因となります。間隔をあけて1切れずつラップで包んで保存しましょう。
さらに、冷蔵庫のチルド室やパーシャル室を活用し、冷蔵室より低い温度で保存することで、より鮮度を長く保つことができます。
魚の切り身を保存するためには、切り身の水分を拭き取り、1切れずつの保存が重要。
丸ごと1尾、切り身に関わらず、チルド室やパーシャル室といった冷蔵室より低い温度での保存が適しています。
3.魚の冷凍保存の方法とは?
3-1.丸ごと1尾の冷凍保存方法
魚を丸ごと1尾の冷凍保存する場合にポイントは3つ。
・下処理
・ラップで包む
・一気に冷やし込む
魚を丸ごと1尾冷凍保存するためには下処理が重要になります。
頭、内臓(ワタ)、エラ、ウロコから傷みが進むのでしっかり水分を拭き取ってから冷凍保存しましょう。
また、魚を丸ごと1尾冷凍保存する際に、水分が残っていると霜ができてしまい、鮮度が落ちる原因となります。そのため、しっかり水分を拭き取ります。また、ドリップを防ぐために内蔵(ワタ)を取り除いた中にクッキングペーパーを詰めておきましょう。
そして、空気に触れると傷みの原因となる雑菌が増え、鮮度が落ちやすくなるため、ラップで包み空気が触れないようにしましょう。
冷凍する際、一気に冷やし込むことも、鮮度を保つための重要なポイントの1つとなります。
ご家庭の冷蔵庫に急速冷凍機能がある場合は、急速冷凍しましょう。急速冷凍機能がない場合は、熱伝導率の高い、アルミやステンレス製のトレイの上に置き、冷凍庫に入れることで冷凍時間を短縮できます。
3-2.切り身の冷凍保存方法
魚の切り身の冷蔵保存の場合にポイントは3つ。
・切り身の水分を拭き取る
・ポチ袋で密閉する
・一気に冷やし込む
切り身の冷凍保存も冷蔵保存と同様に、切り身の水分をよく拭き取ることが大切です。
また、切り身の冷凍保存で注意すべき点は冷凍焼けです。切り身が酸化して黒ずんでしまうため、ラップで包んだ後に密閉できるポチ袋などに入れて密閉状態を作りましょう。
さらに、切り身を冷凍庫内に詰め込み過ぎると、冷凍時間が遅くなるので間隔をあけて熱伝導率の高い、アルミやステンレス製のトレイの上に置き、冷凍庫に入れましょう。
市販のお刺身は、既に一度冷凍している商品も多いため、その場合は冷凍せずその日のうちに食べきることがオススメ。
3-3.冷凍保存の冷凍方法3選
■流水解凍
ボウルに水を張り、冷凍保存していた密閉された袋のまま流水を当てましょう。
流水を当てることで少しずつ解凍されていきます。
■冷蔵庫解凍
冷蔵庫で解凍することで、鮮度をより保ちながら、傷みにくい環境で解凍できます。
しかし、かなり時間がかかるので、時間があるときは冷蔵庫で解凍しましょう。
■電子レンジ解凍
電子レンジの解凍モードを使えば、すぐに解凍できます。しかし解凍具合を確認しながらでないと、半解凍状態や熱を通し過ぎてしまう場合があるので、注意が必要です。
4.魚が自宅やスーパーに届くまでどのように輸送しているの?
4-1.自宅に届くまでの配送方法
ネットスーパーや、スーパーで購入した魚などの商品を自宅まで配送してもらう際、どのような方法で配送されているのでしょうか。
基本的にはオリコンの中に保冷ボックスをいれて配送しています。
写真のようにオリコンを2層に分けることで、常温品と冷蔵品を分けたり、冷蔵品と冷凍品を分けたりしながら、自宅に届くまでの温度管理を行っています。
4-2.スーパーやドラッグストアの店舗配送方法
スーパーやドラッグストアで魚を手に取るときは、冷えた場所に並んでいます。
では、お刺身などの魚は、どのように温度管理をしてスーパーやドラッグストアの店舗に納品しているのでしょうか。
店舗配送に使う物流資材は様々ですが、写真のようなたくさん商品が入る物流資材を使用しています。
写真のようにスーパーやドラッグストアの店舗配送は、すべてが冷蔵トラックや冷凍トラックを使用している訳ではなく、常温トラックで保冷カバーを使って温度管理している場合もあります。
5.まとめ
魚の冷蔵保存方法と冷凍保存方法を、丸ごと1尾と切り身に分けてご紹介させていただきました。
水分をしっかり拭き取ることと、空気に触れないようにラップで包むことの2点はすべてのパターンにおいて重要なポイントとなります。
魚を釣り上げてから、スーパーやドラッグストアに並び、自宅で召し上がるまでに様々な方法で温度管理がされ、鮮度が保たれています。正しい保存方法で、より新鮮な魚をおいしくいただきましょう!
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