物流のラストワンマイルの意味とは│問題点や課題に迫る
近年EC(ネット通販)が盛んとなり、ラストワンマイル物流に注目が集まっています。
大手のEC事業者は顧客に近い場所に配送拠点を作り、ラストワンマイルを縮めることで、全国配送や翌日配送などのサービスを実現しています。
・ラストワンマイルって何を意味するの?
・物流業界で話題のラストワンマイルの問題点は?
・ラストワンマイルの課題解決方法はあるのか
この記事では、上記のようなお悩みをお持ちの方へ向け、ラストワンマイルについて解説しています。
◎物流に関するその他の記事はこちら
・ドライバー負担軽減に向けて「中継輸送」の取組み事例を紹介!
・物流の2024年問題|ドライバー不足の現実を知り、具体的対策を講じる
―目次―
1.話題の“ラストワンマイル”とは?
1-1.ラストワンマイルの意味とは?
1-2.ラストワンマイルの現状
1-3.ラストワンマイルの問題点
1-4.ラストワンマイルの課題解決方法
2.ラストワンマイルに求められること
2-1.商品を破損させることなく届ける
2-2.食品物流における温度管理
3.まとめ
1.話題の“ラストワンマイル”とは?
EC(ネット通販)市場への新規参入事業者が年々増加。多くの事業者が送料無料や当日配送などの物流サービスによる差別化に取り組み、より一層”ラストワンマイル”の物流サービスの成長が、EC事業者の販売戦略の大きん要素となっていると言えます。
まずは、”ラストワンマイル”が何を意味しているのかを解説していきます。
1-1.ラストワンマイルの意味とは?
ラストワンマイルとは、もともと通信業界で用いられていた用語で、直訳すると「最後の1マイル」になります。
通信事業者と利用者を結ぶ最後の区間という意味ですが、現在は、物流業界において多く用いられ、「顧客にモノ・サービスが到達する最後の接点」を指しています。皆さんも一度は利用された事があると思いますが、ネット通販や店舗で商品を購入され配送を依頼した際に、商品を玄関先まで届けてくれるドライバーの方々。その大半は、物流大手企業などから委託された宅配業者が請け負っているのです。これを“ラストワンマイル“と呼んでいます。
1-2.ラストワンマイルの現状
2年以上に渡る新型コロナウィルスにおける巣ごもり需要をきっかけに、これまで以上にネット通販が盛んになりました。消費者がスマホやPCを使用して自分の好きな時間に注文でき、商品を自宅まで届けてもらうことができます。ネット通販を運営する事業者は、消費者にラストワンマイルをうまく提供しているからこそ、この数年間で大きく成長したのではないでしょうか。
特にネット通販最大手であるAmazonは、大型物流センターを全国に多数建設し当日配達、翌日配達といった配送サービスを充実。これにより、ラストワンマイルを成功に導いたとも言えます。
1-3.ラストワンマイルの問題点
近年ラストワンマイルの物流サービスに注目が集まっていますが、その裏には宅配業者のきめ細やかな配送があってこそ、成り立つサービスです。
ラストワンマイルの充実は利用者にとってうれしいですが、宅配業者・配送業者に対しては金銭面での負担が大きくなっていることが問題です。
多くのECサイトは、売上を上げるために送料無料を行っていますが、低価格の製品などは配送価格を削減しなければなりません。
そこで、運送会社への支払いカットを行い、運送会社が負担することで削減された費用を補っています。
それに加えて、再配達・不在時の対応に対するドライバーの労力や人件費としてその負担はドライバーや配送会社にかかってきています。これはドライバーの人件費増加へとつながり、利益率が低下してしまいます。配送会社側では売上に対して人件費の割合が増加することになり、利益率が減るため、追加でドライバーを雇いたくても雇えない状況に陥ってしまいます。
さらにそこに加えて、数年後には物流の「2024年問題」が控えている為、ドライバー不足はより深刻となります。
物流の「2024年問題」についてはこちら。
”物流の2024年問題|ドライバー不足の現実を知り、具体的対策を講じる
1-4.ラストワンマイルの課題解決方法
ラストワンマイルの問題点で、一番大きな課題は「再配達によるドライバーの負担と人件費、人手不足」であると考えます。
ますます増え続ける配送物、再配達による人件費の負担、ドライバーの人件費や高齢化、労働環境の悪化と人手不足により、物流業者はサービスを維持することが難しい状況に陥っています。
課題を解決するために、宅配ボックスの促進、コンビニや駅などでの受け取り型サービスやロッカー設置の普及、法整備を早急に進め無人配送ロボットやドローンによる配達など、既に大手企業では一部試験運用を開始されており、今後期待されています。
2.ラストワンマイルに求められること
2-1.商品を破損させることなく届ける
商品には梱包材(段ボール箱や発泡スチロールなど)が使用され、商品が破損しないよう保護されています。
しかし、例えば、小さな軽車両へ山積みになるほど商品を大量に詰め込まなければ対応出来ない位の状況では、配達員の方々が、いくら気を付けても商品が破損してしまう可能性は大いに考えられます。破損トラブルは、積み込みや積み下ろし作業時など、人の手を介したときに起きやすいと言われています。万が一トラブルが発覚したら迅速に対応し、お客様への謝罪や配送会社への確認、再送・返金対応など、やることも多くなります。
あたりまえの事ですが、仕分けを行う際に重い商品は下に配置し、徐々に軽い商品を積み上げて行く。配達のルートや時間指定の順番が、それを不可能にしてしまうかもしれませんが、お客様への大切な商品を破損させない為には積み込みだけでなく取り扱いにも気を配り、仕切を使用する(緩衝材)など対策を行う事で破損を未然に防ぎましょう。
2-2.食品物流における温度管理
ラストワンマイルは常温の商品だけでなく、食品物流も含まれ皆さんには馴染みがある生協や、ネットスーパー、デリバリーなどが有ります。
ラストワンマイルでは、クール便を謳う宅配業者以外は殆ど常温の車輛を使用し配達を行っています。その際、梱包に発泡スチロールや保冷剤を合わせて配送されている場合がありますが配達時間は必ずしも正確にお届け出来るとは限りません。
配達の遅延、お客様の不在など、さまざまな事が起こります。商品が要冷蔵、要冷凍では温度帯が異なるため、本来それに合わせた配送方法や管理方法を行わなければ温度が保てているとは言えません。
3.まとめ
我々の生活に無くてはならない存在となり、EC(ネット通販)は、その利便性とは裏腹にラストワンマイルという大きな物流網で成り立っており、その中にも数多くの課題や問題点が潜んでいます。
今後、運送業界に更なる影響を及ぼすのか? 特に問題となる人手不足に対し、私共、キラックスでは、ドライバーの負担軽減に繋がる保冷ボックスや保冷カバーをご提案し、作業効率UPと利益改善にご協力させて頂きますので、是非弊社までご相談ください。
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